モンスターボール100個

インターネットと一緒にあそんで、かんがえる場所

INTERSTELLARはSIGNSに対するアンサー映画です。

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インターステリングしてきました。




できれば都内のiMAXとかいう最高に贅沢な環境で観たかったー!
とは言いつつも観に行ったときはそんな事気にもせず、
ただ周りから聞く評判の良さにワクワクしながら
「とにかく今すぐみる!」という気持ちでいっぱいでした。


もう、色んな所で言われている通り、これは今の科学がどこまで
宇宙やこの世の次元の仕組みを理解できているのか、
そして表現できるのかを専門的な方々を多数招き作り込んでいった作品で
その辺りの教養、理解や興味が有るか無いかで感想が180度ちがうものになるぜ!
楽しむならそれなりの教養または事前知識身につけておいた方が身の為だ!
っていう映画なんですが、

僕はそこらへんの教養がある人間ではないので、
感想は大きくあっち側に偏っています。
でも、自分が観てきた映画の中で似たようなテーマの映画があって、
「こういう解釈の流れにシフトしているのか...。」と思ったので、
自分の頭を整理するのも兼ねて感想書きます。


近年のSci-fi映画で提供できる体験への、別角度からの挑戦

まず、iMAXのような設備を通して一層深みを増した映画鑑賞体験で今年の始めに世界中を圧倒させたゼログラビティのようにSci-fiの表現の幅もそうとう広がりました。

ゼログラビティは宇多丸氏のラジオ番組ウィークエンドシャッフルのムービーウォッチメンでも言われていたように、最低でも映画館そしてiMAXで観ないと映画を見た感想に天と地ほどの差が出るような内容だったのですが、それもそのはずあの宇宙浮遊を疑似体験している感覚は、家のテレビでは絶対に味わえません。


宇多丸が映画『ゼロ・グラビティ』を語る - YouTube


あんなのが出た後にどうやってSci-fiのジャンルで新たな感動を生み出せるのか!みたいな事考えるともうファンタジー(スターウォーズか、リアリティを追求していく方向しかないんじゃね。

で、そうなった時にノーラン監督は理詰めというか科学的な知見をふんだんに取り入れて今提供できる限りで最高水準のつじつまがあう、リアリティのあるSci-fiドラマを作ろうとしたと思うんです。

結果、地球&人類の慣れはて、宇宙空間内での時間のずれ(最初ビデオメッセージのやり取りを観た時、日本人なら新海誠監督のあの作品思い出した人も多いんじゃないかなw)、AIの登場、次元の表現などで、人をグッと引き寄せられるストーリーと宇宙空間の表現ができたんだと思います。


地球上の人類が進歩していける理由...「それは、エゴだよ!!!!!」

正確に言うと、
エゴが入り交じった愛(人)

な分けで、どれっだけ文明が発達して、技術も科学も発達して、論理的/合理的な方法をどれだけ正確かつ瞬時に得る事ができるようになった世の中でも、人類が次のステップに直面していく問題は「未知/不確定」なものであり、通常の常識を覆していく“人類の次の次元”にたどり着くには「愛」という、これまた解釈できず未知であり非合理的な方法でしか無理なんだよ。きっと。

だから、自分たち人類を、そしてこの自分たちの中に与えられた「愛」というものを信じて生きていこうよ。

つまりは「ララァ、私を導いてくれ...。」

っていうメッセージで完結してて。


「そうだそうだー!!!それに気づく時、そして信じれる限り、どんなに便利になりすぎて、機械化された時代になろうとも、人はその人生を、その生活を幸せだと思えるんだー!!!!人間万歳!!!!YOLO!!!」っていう、今の時代をちゃんと捉えた落としどころだと思いました。








で、ハッとした。




この映画は、時代が変わり人々の価値観が変わったことをはっきりと提示してる。

ということです。


インターステリングしはじめて冒頭5分くらいで思ったんですよね。どっかで観た事あるような光景だなー。って。


見渡す限り続くトウモロコシ畑、走るトラクター、一軒の農家の家。
そこにクラス家族の物語。そして起こる不可思議な減少...。


「幽霊かな?」


なんて話をしているんですが、
そこら編のストーリー、実はこれ2002年全世界でもっとも高い収益をあげた映画「サイン」と被るんですよね。


Signs trailer - YouTube


そして地球外生命体と結びつけた展開も、「家族の絆」そして「信じる心」というキーワードも。



で、何が違うか。

サインでは、

今まで起こってきたこと、これから起こる事すべて含め
人生には二通りの考え方がある、

一つはあらゆることには意味はなく、偶然の重なりで出来ているだけだという考え方
もう一つは、偶然等無くすべては意味があり必然だという考え方

と言い、この宇宙上での絶対的な存在を肯定し、
そこに意味がある事を信じて、家族/人を愛していくというメッセージにまとめています。

インターステラーのまとめかたはこうです。

人類はいずれや進歩し、全ての謎をも解き明かし、どんな闇に包まれても必ず希望を見いだして前進していく。そしてその一番の原動力は「人類」を背負った偽りの大義名分ではなく、純粋な人の愛というなのエゴ!!だよ!!!

って言ってるんですよね。


インターステラーでは信じる対象として
神の様な絶対的な存在が皆無。

ま、結果的に愛に落ち着いてて僕は観ていてすごいハッピーだったんですけど、終わってから消化しているうちに、
「あ、時代は変わったんだな。」って思いました。



時代によって、価値は変わり、人の信仰対象も変わり、そして常識や正義も変わる。



最近の若者(自分もそうだけど)の楽しみ方って本当自由奔放です。


昔より身分も気にせず世界を渡り歩けるようになり、
様々な国の人達が世界中旅回りながら(しかも実際に世界を回らずともインターネットのおかげでそれが月数千円で疑似体験できる時代になった。)多様な価値観に触れ#YOLOを合い言葉に生きています。


その中で多様性を受け入れる事も学び、自分のエゴ(自由)を追求し生きる選択肢も、
他を認め/受けいれ/共存する(愛しあう心)を学ぶ機会が多くなった時代では
「神」という存在を認めたり、信じなくても、ある程度死を知っても尚希望を持って生きているだろう!という答えを出しつつあるんですね。


だから、インターステラーの物語の登場人物が見いだす答えは=自分たち自身。


とっても今らしい。





時代は変わり、宗教(といっても信仰対象が無くなる訳じゃなくて、入れ替わりみたいな感じだけど)も無くなり、新たな価値観を持つ事が普通とされてくる時代に突入したんだな。と思いました。




多様性が多くなり、選択肢が最大限に広まっていくであろうこれからの時代。


人はなにを信じて、何を愛して、何と争って生きていくのでしょうか。




“次のインターステラー”を観るのが楽しみです。






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時代が変わったら色々変わっちゃうんだぜ!
ゲイだってレズだって今後どんどん認められてくし、クローンと友達になる日だってくるかもだぜ!
っというのがピンとこないとか、気になる人は

岡田斗司夫さん著書の「評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている」を読んでみる事をオススメします。時代に流れで、人々の生活、地位、常識がどう変わっていったかが分かりやすく描いてあり、そしてコレからの時代は何が価値として重んじられるのかという予測が書かれています。

評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている